始まりは、嘘。

病院までの電車の中。



気まずいのは避けようと思い、私は前日から話題を考えてきて…………はいなかった。







でも、なにか話さなきゃ。



「桐島くんのお母さんはどんな方なんですか?」





その質問をしたとき、一瞬だけ、彼の表情が曇った気がした。

「……母さんは、優しいよ。たぶん、小日向さんを見たら喜ぶと思う」




「はやく、会ってみたいです」







きっと桐島くんに似て、美人なんだろうな。