考えながら歩くと、道はあっという間のようで店先についていた。
「七希ぃ、ごめん急に呼び出して…」
「いいけど、こいつも着いて来ちゃったから」
中で留守番をしてた小柄な少年は、隣の少女を指差した。
「うちだってあやに用があったんだもん」
開いているのは数学の教科書だろうか

少女がジーっと見つめてくる
その視線に気付いた店長が
「新しく来てくれた、三月遥斗さんだよ」
フルネーム+さん付け
なんかむず痒い
「遥斗とか他のニックネームとかでいいよ」
「ほら、あやなともっちゃんも自己紹介して」
「はいはい、俺は綾瀬七希
適当に、呼ぶなら呼んで」
「うちは鈴木もこ、よろしくね」
面倒そうに少年が、楽しそうに少女が自己紹介した。
ななき君ともこちゃんか…
珍しい名前だな。
適当に挨拶を交わした