何も知らない君

何も、言葉が出なかった。
こんなとき、なんて言えば良いかなんて、想像がつかなかった。

ただ、残酷な台詞を、静かな殺風景な場所で聞いているしかなかった。

(お母さん…………)

珠洲音は、お葬式に出ることが出来なかった。
怪我がひどすぎたから。
自力であまり動けないのだ。

珠洲音は、親の最後を見届けることさえ出来なかった。

(ごめんね…………)

ただただ、そう、心の中で謝り続けた。