何も知らない君

「お母さんね、今日も帰るの無理なの。」

はぁ。
またか。

「本当にごめんなさい。折角のお誕生日なのに。」

今日は、珠洲音の誕生日だった。
ここ2、3年は、ろくに誕生日を祝ってもらってない。

「うん。平気。お仕事、頑張ってね。」

「うん………」

プツリと、電話が切れた。