朝が来て。
昼が来て。
夜が来て。

明くる日も、また明くる日も。
珠洲音の記憶は戻らなかった。

(疲れた………)

珠洲音は、疲れ切っていた。
目を覚ました翌日には、学校に通った。
しかし、クラスメイトは誰一人分からない。

「すず!」

「すずちゃん!」

クラスメイトが、自分のことを、「すず」と呼ぶ。