何も知らない君

珠洲音は、返事に困った。

(美月は実は幽霊でした、なんて、言えない。)

言えない。
正確に言えば、信じてもらえないから言わないなのだろう。

「うーん。分かんない。」

これが、ひねりだしてやっとの思いで考え出した言葉だった。

「そっか。珠洲音ちゃんも知らないんだ。」

「うん。」

「でもね、美月ちゃんのロッカー、空なの。」