何も知らない君

斜め前の席を見た。

空席。

それは、そのはず。
そこは、今まで美月が使っていた席だ。

(やっぱり美月は、来ないんだ。)

素直に寂しいと思った。
珠洲音には、友達はいるが、やはり美月を超える友達は、存在しなかった。

「珠洲音ちゃん。」

「?」

「美月ちゃん、今日、来ないの?」

声をかけてきたのは、先日美月と一緒に授業を受けていた子だった。