「珠洲音ちゃん!」

「あ!美月ちゃん。」

珠洲音は、かなり地味な、目立たない子だった。

でも、仲の良い友達は、少なからずいた。

珠洲音は、幸せだった。

だって、何にも苦労していない。
可も良も無い。

「じゃあねー。」

「うん。また、明日。」

手を振り、別れた。

皆、知らないのか。
彼女は、皆の知らない顔があるのに。