何も知らない君

「美月ちゃん………」

「ん?」

いつも通りニコリと微笑んで振り向く美月。
そんな美月に、『さっきの』を、言っても許されるのかしら……?

「美月ちゃんってさ……?」

「何?珠洲音?」

「あ……やっぱり、何でも無いよ。」

「そう?うん。それじゃあね。」

美月は私にくるりと背を向けた。

(え?
どうして?)

今日の体育は、ペアで行うはず。
『それじゃあね』と言うことは、やはり美月は見学するのだろうか。