何も知らない君

「あ、やだ!」

「次、体育じゃん!」

そう言って、皆は、慌てて袋を持って教室を出た。

珠洲音も、それに続く。

しかし、美月はゆっくり歩いているだけだった。

「美月!」

クラスメイトの1人が、美月の手をひいた。

「触んないで!」

美月は、そのクラスメイトの手を叩いた。

「痛っ!」

その子は、痛そうに美月に叩かれた手をさすっている。