「行ってきまーす!」

と、大きな声で言って、珠洲音は家を飛び出す。

〚サヨナラ。珠洲音。〛

そう、珠洲子は言うと、スゥっと消えた。

だが、珠洲音には、気が付くことが出来なかった。

〚大丈夫。珠洲音は大きくなったもの。一人でも平気。〛

そう、珠洲子は思っていた。
でも、何年も一緒にいた妹を1人残して逝くのも、気が重かった。