珠洲音はボーッと聞こえてくる声に耳をすましていた。

「ただいま。あれ?珠洲音ちゃんは?」

「お母さん、珠洲音ちゃん、どっか行っちゃった。家、嫌だったのかしら。」

「出て行っちゃったの?」

「うん。どうしてかなぁ?」

〈出てってくれて有難さん♪〉

「そう…………何処にいるのかしら。」

「出てっちゃった子なんて、どーでもいいじゃん。それよりさ、お腹空いた。」