何も知らない君

「珠洲音ちゃん?」

あの、理音の声がした。
慌てて珠洲音は部屋の鍵をかけて、ドアの前に荷物を置いて開かないようにした。

(来るな!)

〈何よ。あたし達が用意したモン食べられないくせにポテチ食べてる。何様よ。こいつ。〉

何様。
その言葉で珠洲音は傷ついた。

〈まぁ、いつか食べるモンも無くなるだろぅ。〉

理音の遠ざかる足音を聞いて、珠洲音はホッとした。