何も知らない君

(落ち着くなぁ。)

病院は相変わらず殺風景だったけど、珠洲音に用意された部屋は明るかった。

(ここ、気に入った。)

「珠洲音ちゃん。気に入ってくれた?」

「はい、有難う御座います。」

「そんなに堅苦しくなくていいのよ?」

叔母は、明るくて話上手な人だった。

(お母さんより、優しいなぁ。)

珠洲音は母親の瑠璃子にはあまり可愛がってもらえなかったから、少し嬉しかった。