「今宵ちゃん、おはよう」
朝目覚めるとまっさきに目に入るのは
こちらを愛おしそうに見つめてくる神様。
「おはよう神楽」
彼の名前を呼び朝の挨拶を交わす。
ああ部屋から出たくないな、なんて思えば
彼はまるで私の心を読んだかのように
「頑張って」そう言ってくれる。
だから私は今日も外に出なければ
いけない。
「神楽が頑張ってって言ってるから。」

外壁を避けるように辿って目的地に着けば
今日もまた幸せな子になる。
気持ち悪い感情は押し殺して
普通のどこにでもいる15歳にならなければ
いけない。

作り笑顔で一日を終えたら
私はまた闇に還る。
誰にもかかわらないように、
誰ともかかわらないように。
人を、物を、避けて避けて避けて避けて
安全地帯で彼と愛し合うのだ。

「好きだよ、今宵ちゃん。」
その声が聞きたいから、私はー・・・