「こんなにフォロワーがいて自己満足?」

「それは……」

「雑誌の取材受けたことだって、わたしは聞いてない! これ、理緒に許可とってるんでしょ? コメントも出してるもんね、知らないはずないよね」

「……」

「信じられないよ! どうして何も言ってくれないの?」

「えれな……」

「なに、自分は特別だから? 有名人だから、わたしなんかにはいちいち言ってられないってこと?」
「そんなんじゃないよ! 全然違う」

「理緒はいつもそう、なんにも話してくれない。自分の世界が大好きで、壁をつくって自分の中に閉じこもって、わたしのことを馬鹿にしてる」

信じられなかった。
どうしてえれながそんなことを言うの? 

わたしがえれなのことを馬鹿にしたことなんてあるはずないのに。

「わたしはいつだって、なんでも理緒に話してるのに、理緒はどうして……?わたしたち親友じゃないの? こんなことも教えてもらえないで、あたし、ほんとにばかみたい」

えれなの目から涙がこぼれおちた。
一粒あふれたとたんに、次から次へとぽろぽろと涙がえれなの頬を伝い、えれなが受けたショックがどれほどなのか、いやが応にもわたしに伝わってきた。

「えれな、ごめん……、ほんとにごめん」

インスタグラムの存在がえれなに知られたら、嫌な気持ちにさせてしまうかもしれないなとは思っていた。
でも、まさかえれながここまで怒るなんて、想像できなかった。

あまりのえれなの激しさに、わたしはもうどうしていいかわからなくなっていた。