初恋を君に。

椎には、いつも通りスマイル顔のラテアート。
京香には、花のラテアート。
永都には、葉っぱの形のラテアートを準備した。





「愛里ちゃんは、永都くんが好き?」









そんなことを唐突にマスターが聞いてくるから、ついラテアートの手がずれてしまった。






「どうしたの、急に。」

「なんとなく。…マスターの勘かな。」

「好きかは分からないけど、見てて飽きはしないかな。」

「それは愛里ちゃんにとっては好印象だね。」







ラテアートを完成させて、3人に持っていく。







「お待たせ。」

「愛里のは?」

「いつも通り、マスターが作ってくれてます。」

「おおー!相変わらず上手いなー!」

「葉っぱ…?」





永都は、マグカップを見つめて、不思議そうに顔をかしげた。





「ラテアート、いつもこの二人には作るから、その時のフィーリングで何描くか決めてるんだけど、今日は私が初めてみんなと出会った時の第一印象にしたの。」

「俺はこんな輝いてたかー!」

「うるさい、椎。」

「俺は、葉っぱ?」

「葉っぱっていうか、爽やかな純粋なイメージ。嫌だったらごめんね。」

「ちなみに愛里は、クール一択だよなー!」

「愛里!ありがとう!」






永都はそう言って、嬉しそうに眺めていた。