初恋を君に。

「永都、彼女いないの?」

「いないよ。」

「もったいない。」

「んー。でも気になる子はいるかな。」









そんな話をしながら、校内を歩き回る。









「え、じゃあその子とはいま離れ離れなの?」

「んー。そういうわけでもないよ。」

「ふーん。なんか不思議な人だね、永都って。」

「そう?」

「愛里、さっきから、何黙ってんだよ。」






急に私に話が飛んだから、予期してなくて、聞き取れなかった。







「ん?」

「だから、なにしてんの!」






永都はそう言って私のほっぺをつねった、






「愛里って、肌白いね!」

「そうでもないよ。」

「意外と伸びるんだ。」

「いひゃい、はなしてよ。」








永都は楽しそうに、子供のように笑ってた。