「今年もこの日が来たのか。あれから2年。やれやれ、俺は何も変わってないな」

1人呟く。聞き手はいない。いつからすれ違っていたのか。それすら分からなかった。あの時彼女は何も言ってくれなかったから。

「一緒に居られればそれで満足だったのにな」

心の声がもれる。呟かずにはいられなかった。

「それにしても2年で随分と変わるもんだな。あいつ、元気かな」

あの日あの時、待ち合わせをした場所。俺にとっての未練の場所であり、そして度々通った思い出の場所。そこにあの時の姿はなく、きっと叶うはずのない夢を見てこの日に俺はここに来ていた。