。。

学年が上がる時、また変わらない日々を過ごすのだろう、ちょっと忙しくなるのかな、と思っていたら違った。
うちのクラスはクラス替えがないし、担任、副担任が変わるくらいの変化しかないだろうと、その時は思っていた。新任の先生が来るまでは。
始業式。久々に会う友達とありきたりな会話を交わしながら、校長先生の話しを片耳で聞いていた。新任の先生の紹介、ちょっと期待外れかなって言いながらどうせ遠くて顔なんか把握出来ないし、聞き流していた。

数日経って、新任の先生を見かけた。まだ慣れていない環境だから他の先生の後に付きながら歩く姿は『かっこいい』より『可愛い』が明らかに優っていた。第一印象はそんな感じだった。そういえばうちの科にも来るって言っていたよなあ程度の認知だったけど、その時からなんだか気になる存在になっていった。
その日、新入生歓迎会があった。私ももちろん参加。可愛い後輩達と話すのがますます楽しみになった。会の最後には先生たちの自己紹介もあった。最初から最後まで緊張しながらだが一定の調子でふわふわと喋る先生。初々しさがまたたまらなかった。

思えば、この時から好きだったのかもしれない。