"好き"ってなんだろう。
いつからだろう恋が分からなくなったのは。

小さい頃の私は単純に"好き"を知っていた。けれど今ではあの時のあの想いは憧れにすぎないのではないかと思う。

私は今、高校生である。一番青春を謳歌できる、と言っても過言ではないハズな年頃。そんな中で私は恋愛というものから遠ざかっていた。
好きなものは異性と異性を掛け合わせたBL(ボーイズラブ)。クラスには少人数しかいない男子と圧倒的多数の女子。同じ趣味や思考を持ち合わせた最高の環境だったが、いかんせん、男が少なすぎるのだ。華の青春を満喫するつもりだったが、望みは早々に途絶えた。

校内にはバカみたいに走り回る運動部男子や、図書館で静かに勉強や読書をする文化部男子など様々な異性がいるものの、興味すら湧かず、自分の課題に没頭するような毎日だった。
そんな中、俳優やアーティスト、二次元など癒しの存在となる異性はいた。だがしかし、悲しいことに画面や誌面越しでしかないので癒しは家でのひと時のみで、アーティストに関してはたまにライブがあり、生で見ることが出来たが、それもまたすぐに思い出の中に消えていった。