すきなひと




「あ、日の出」


薄い青色の空。

下の方が白く光っていた。

空に浮かぶ部分が大きなるにつれて、光は赤く見えてくる。



「おー」



薄い反応に、ちらりと瞬を盗み見ると、瞬の瞳は淡い赤に染まっていた。

瞬はきっと、この景色も忘れないのだろうな。



羨ましい、と思う。


「瞬ぁ」
「ん?」
「今年もよろしくね」
「おう」


私はなんだかおかしくなって、ふふと笑う。


「瞬ぁ」
「なんだよ」


トーンの変わらない呼びかけに、うんざりしたように笑いながら、瞬は答えてくれる。




「ナオちゃんに会いに行く?」
「……うん」


私の問いかけに、瞬はふっと目を細めて頷いた。


多分、多分だけど、瞬も同じことを考えていたのだ。


この場所で、こうしていると、どうしても思い出すから。