すきなひと




隣にいた瞬に呼ばれて、そちらを向くと、瞬は立ち止まった。

私もなんだなんだとつられて立ち止まる。声を発した私たちは、白い息を吐いた。

すごく寒いはずなのに、不思議。


みんなといると、寒さなんて忘れちゃうんだ。



「やる」

と、手を突き出されて、反射的に私はそれを受け取っていた。


カサ、と何かが私の手の中に。


さっき瞬が財布にしまっていた大吉のおみくじだった。


「運がありすぎても困るからな」


と、嫌味も忘れずに瞬は先を歩き出した。

ああ。


本当に、こいつはずるい。


「瞬サマの運、いただきましたっ!」
「感謝しろよ」



そのあとは恒例。


ナギの家で、ナギのお父さんがうったうどんで年を越した。