すきなひと




黙ってろ朴念仁め!!


わかってない、本当に瞬はわかってない。いとこ同士とか、あのふたりにはかんけいないんだ!


「イッテェ!!」


瞬は痛みに飛び跳ねて、私をギロリと睨んだが、知らんぷりをしてやった。

「いとこは結婚できるじゃんか?」

亮介はにかっ!と笑い瞬に言う。うんうん、と私も頷いた。


「つか、俺はお前らの方が不思議だけどな」
「 ……ぶん殴るぞ」
「キャーッ!瞬くんこわぁい!」

2人は私を挟んでふざけあっていたが、何の話なのかわからないので無視をする。


人混みの中から屋台を首を伸ばして見て、瞬の背中を軽く叩いた。

「瞬、イカ焼き食べたい」
「並ぶ?」
「うん」

屋台は混んでいて、列は長いけれど回転は早かった。仕方が無い、大晦日だ。

「あの2人大丈夫かな」

姿が見えなくなった2人を探して、キョロキョロと辺りを見回した。


「ナギついてるし大丈夫だろ!」
と、亮介。


「ナギは『芹菜は抜けてるとこあるから……』とかいつも言ってるけどナギも相当抜けてるよね。だから心配になる」

げそにしようかな。半身にしようかな。なんて考えつつ、私は言う。