「わりー!遅くなった!」
その明るい声に、瞬はあくびの途中で動きを停止させた。
「よぉ!瞬!ナギ!満!矢吹!」
妙にハイテンションな彼は、椿亮介。
昔からサッカーをやっていて、高校も私立高校に推薦で入った。
背はこの中で1番高く、顔もそこそこかっこいいが、とにかくアホなのでモテはしない。と思う。
「部活長引いちまって風呂入って飯食ってた」
「おせーし、さみーし」
瞬は身を縮こませてコートのポケットに手を突っ込みながら、亮介の足をゲシゲシと蹴った。ちょっとご機嫌斜め。
瞬は寒がりなのだ。
「大晦日まで部活なの?」
「あ、今日は部室の大掃除だけだったんだけどな。そのうちみんなでサッカー始めてた」
私の問いにそう答えて、亮介は楽しそうに笑った。
亮介の高校は、サッカーに対して無知な私でさえも名前を知っているほどのインハイ常連校だ。
だから忙しくて、なかなか会えない。
全員揃ったのはいつぶりだろう。夏休みに一回みんなでプールに行ったっけ。
「イテッ、イテッ!おいおい、久々に会ったのにその反応かよ!瞬つれねーなぁ。慰めて!ナギィ〜」
「近寄らないでくれる?」

