「芹菜、大袈裟すぎでしょ。満とは学校で会ってたんだろ?」
そんな芹菜の頭をぽん、と叩く好青年は佐々倉凪斗(ササクラ ナギト)。
背が高く、髪は色素が薄い。憎らしいくらいに要領がよく、なんでもできる。
家はうどん屋さんで、将来は家を継ぎたいらしく、今は部活もやらず修行の日々らしい。
芹菜もそんなナギを真似してか、部活には入らずバイトに励んでいる。
芹菜とナギはいとこ同士だ。
「よぉ、ナギ」
声を掛けた瞬に、ナギは拳を差し出し、2人はこつん!と拳をぶつけ合った。
……謎だ。
中学時代からの彼らのくせ。男の子って、本当たまによくわかんない。
「ツーは?」
芹菜が首を傾げ、ナギは携帯の画面を確認して同じく首を傾げた。
2人はやはりいとこ同士というとこもあり、加えて兄弟のように育ってきているので、似ている部分もある。
口元とか、仕草とか。
「確かに遅いね。亮介」
ナギが言った。遅れている彼のことを、芹菜はツー、と呼ぶ。
そうだね、と私は同調する。まあ彼が遅れてくるのなんて、珍しいことじゃない。
瞬はというと、マフラーの間から口を出し大あくびをしていた。

