すきなひと




「あ、確かこゆとこでカメラって使っちゃだめだよね」
「あー。まあ俺の絵だし、大丈夫だろ」



満足して写真を撮り終え、私たちは並んで絵を見上げた。

「どーよ」


瞬が珍しく私に感想を求めてきた。じっくり見ろよ、と付け足して。

じっくり、って言われても。

さっき瞬がインタビュー受けてる時に、ちゃんと見た。

この絵を、瞬の世界を、目に焼き付けられるように。


「うん、瞬らしいね」



でもそんなこと言えずに、私はポツリとこぼした。本当はもっと、伝えたいことはあるのだけど言わずにおいた。


言葉はうまくでてこない。
それを無理に言葉にすれば、軽くなってしまいそうで嫌だった。

それに、変に褒めると瞬は間違いなく調子に乗っておちょくってくる。


「なーんじゃそりゃ」

瞬は苦笑する。


ひまわりの花びらは、たくさんの色で埋め尽くされていた。

赤、青、水色、緑、紫、黄色……。


こんなにたくさんの色が重なっているのに、それは嫌な色になることなく、上手く調和していて、とても綺麗だった。


風になびく女の子の髪の毛も、どこかキラキラしているように見えるし、海には本当に夕日が沈んでいくように見える。