「仕事が落ち着いてる時は、ちゃんと家事もしてくれるし、まあ合格かな。料理は相変わらずド下手だけどね」
ゆうちゃんと瞬の立場が逆転していると思うのだが、それはつっこまないでおいた。
瞬が中1の時、家事に慣れるのに必死だったのを、私は知っている。
「そうか」
お父さんは、それを聞いて苦笑した。
瞬が、ゆうちゃんを呆れつつも受け入れていることに安心したのだろう。
*
「もう帰っちゃうの?」
玄関で瞬を見送るとき、優がさみしそうに言い、瞬は困ったように笑った。
「俺にもやることがあるんだよ」
と、瞬はかっこつけて言ってみせた。
「夜更かしして授業中寝るとか無しね」
私はしっかり釘をさした。
多分、これからまた絵に没頭するんだろう。気づいたら朝になってるなんてこともあり得る。
「わかってるって」
瞬は、耳にタコだという風にぽりぽりと頭をかいた。
その日、瞬の部屋の電気は夜中まで付いていた。

