「お別れしたのもこの桜の下だったから、再会もここかなって思ってた」

そう言って桜の木を眺める

そんな彼の横顔を私は愛おしく見つめた


「俺…春花が好きだ」


直球で言われた言葉

もう、なんの動揺もなかった


なんでかな?

もしかしたら、この桜のおかげかもね



私は嬉しくて涙目になりながらも

素直に言葉を返した



「私も、好き」



今日、久しぶりに会ったのに

こんなの変かもしれない


でもね、ここに来たら

あの日の出来事がつい最近のように感じる

桜の桃色が私達に降り注ぎ

色鮮やかに思い出される

あの頃の私達







私は、「あっ」と声を漏らす

言いたかったことがあったんだ


「言い忘れてたけど…」


私は俊くんの顔をしっかり見つめて


「おかえり!」


と、満面の笑みで告げた



俊くんは少し照れたように


「ただいま」


って、返してくれた






そのあと


2人で手をつないで家まで帰った


昔のように…