冷たい月は今日も私を壊す

星が綺麗な夜……

風が冷たくて気持ちがよかった。

今日は誰にしようかと窓を眺めていると、

あいている窓がひとつ。

私は「不用心だなぁ」と笑いながら

その窓へ吸い込まれるように
入っていった。



その屋敷の中は立派に出来ていて

私が入った所は寝室のようだった。

ベッドには、真紅のカーテンがかかり

所々に精巧な金細工があった。

奥を見ると、綺麗なドアがあった。


私はそっと窓のふちに降り立ち

カーテンのたなびく中

驚いた様子の男を見やった。

そいつを私はどんくさい奴だと思いながら

身を翻し言った

「あなたの血をちょうだい……?」