「あー、明日1限から授業だ」



それは、古谷さんといつものように夜の電話をしていた時のこと。





「あの先生、授業でないと後々めんどくさい事になるんだよね…」

「そーなの?」

「そうそう。それにさー、元カノが俺よりも前の席に座ってくると、まじ全然集中出来なくなるんだよね…」




うん、まあ、確かに。
好きな人が前にいるとついつい見ちゃうものだよね。



電話を聞きながら、
うんうんとうなずく私。



「そりゃ、そうなるわ」

「前の席で、男子と話してるのとか見てると…。あぁー、やだなー」





そう言って、深いため息を付く彼。




「前の席、座れないの?」

「それが、国試が近くなったからなのか最近やけにみんな頑張るのよー」




それで、前の席は朝早く行かないとすぐに埋まってしまうのだと言う。




「なるほどねー」

「はあー、やだなぁー」

「そんなため息つかないでよー」

「いいんだよ、逃げる幸せもないし」





あ、この子かなり精神きてるな。
よし、ここは莉奈ちゃんの出番ですかね!




「何なら、モーニングコールしようか?」

「え、まじ?」

「それくらい、してあげるよー」




どうせ、6時には起きているんだし。
ちょっと電話してあげるだけだし。




「まじ!助かる!」

「いいってことよー」

「じゃあ、明日の7時にお願いする!」







……… . . . . .