「ただいまー」
玄関の扉を開けて声を張り上げる。
バタバタとうるさい足音とともに奥のリビングから母が出てきた。
「莉奈!どこ行ってたの!!」
「お母さん、落ち着いて…」
「連絡もしないで!いつもいつも連絡だけはしてって言ってるじゃない!」
あー、もう。
心配性の母は私の行動をいちいち気にする
「友達とちょっとカラオケ行ってたの」
「カラオケー!?」
そういうことは事前に言いなさいよ!
カラオケなんて女の子だけで行って何かあったらどうするのよ!
グチグチ、ガミガミ。
こうなることが分かってるから、
あまり外出の話を母にしたくないのだ。
一緒にカラオケに行ったのは、
女の子じゃなくて、22歳の男性だよ?
とか言った日には卒倒してしまうだろう。
母と知ってる男子とかなら、まだ大丈夫なんだけどねー。
でも、帰る時間はきっちり決められる。
もー、過保護かよー。
「…だからね!わかった!?」
「はい、大丈夫です」
ようやく終わったようだ。
さも、ちゃんと聞いていたかのように返事をする。
その返事に満足したのか、母はまたリビングへ戻って行った。
私は小さく息を吐き出した。
