あの後、私たちは何でもなかったように
歌い続けた。
うるさく鳴り響く心臓の音は
聞こえないふりをして。
「そろそろ帰る?」
「え?あ、もう6時だー!」
やばい、親に何も言ってない。
急いでケータイを開くと、何通もの母からの通知が…!
最終的には3回ほど着信もある。
「やば…」
「莉奈?大丈夫か?」
「た、たぶん…」
とりあえず、
『今から帰るよ』
とだけ連絡を入れておいた。
「急いで帰るか!」
「うん、ごめん。お願いします…」
ふたりで足早にカラオケ店を出て、我が家へ向かう。
そして、あのコンビニまで来ると車を止めてもらった。
「また、ここでいいの?」
「うん!大丈夫!!」