「ちょ、待って」
「ん?待てない」
余裕の表情を浮かべながら、首筋をなぞる様に彼の指先が動く。
「…っ!」
ぞわっと鳥肌がたち、頬が熱くなる。
「顔、赤いよ?」
「…るさいっ」
斜め下に顔を向け、声が出ないように下唇を噛み締める。
薄暗い部屋に私の荒い息遣いの音が響く。
「その表情…そそるね」
「なっ!」
古谷さんの顔が近づいてくる。
や、やばい!
私はとっさに目をつぶった。
「…」
「…」
「…ぶっ」
…目を開けると、古谷さんの必死で笑いをこらえている顔がドアップであった。
「…」
涙目になりながらキッと睨みつけると、
古谷さんはごめんごめん。と謝りながら私の頭をポンポンと叩いた。
私はこうやってまた振り回されて、
反応を楽しむためにからかわれたんだ。