古谷さんは私の方にちらっと視線を送ったが、何事もないように歌い続ける。
声がかっこいいから、
ラブソングが似合うだわ…。
思わず聞き惚れてしまう。
ねえ、古谷さん。
この曲は誰に向かって歌ったの…?
「ほんとに、いい声だね」
「イケボってやつですから」
減らず口を叩く古谷さんの頭を撫でる。
もふもふでかわいい…。
「なんか、おっきい猫みたい…」
「動物かよー」
もふもふ。さらさら。
そして、いい匂い。
「可愛いなー」
「…」
突然、頭を撫でる私の手を古谷さんが掴んだ。
「可愛い…ねぇ?」
そう言う古谷さんは、なにか企んでるかのようないたずらっ子の目をしていた。
私の手を掴んだまま、ひょいっと起き上がると手の甲を撫で始めた。
「ひゃ、な、なに?」
「男に可愛いって言った罰」
手の甲を撫でていた手が徐々に上がってきて、首筋に触る。
