そうは思っていても、
徐々に部屋の雰囲気に酔っていく…。
私は歌いながら、手を古谷さんの近くに置いてみた。
触れそうで触れない距離。
この微妙な距離感がより私にスリルに似たドキドキを与えてくれる。
少しくらい、ときめいてもいいかな?
次に古谷さんが歌い出すと、
また、私の方に寄ってきた。
今度は勘違いなんかではないと思う。
私も歌を聴きながら体を揺らし、少しだけ近寄ってみた。
触れそうで触れない。
この距離だからこそ、
相手をより意識してしまう…。
「次、何歌おうかなー」
私が曲を探して機械を見続けていると、古谷さんが頭をこちらに向けて横になった
「…」
そのまま、無言で私の膝に手を伸ばすと
さわさわと円を描くように触り出した。
「ちょっとー」
「耐久戦」
そういったきり、また黙って膝をくすぐり続ける。
もともとくすぐりが弱い方の私は、
ピクッピクッと少し反応してしまう。
