「莉奈、どれがいい?」
「んー」
本当にどれも美味しそう…。
銀のタコさんに来るのは久しぶりだから、匂いだけでヨダレが出る…。
「ネギは匂いが気になるからー、それいがいならなんでも!」
「じゃー、明太チーズ」
「いいセンス!」
古谷さんが注文をしている間、私はたこ焼きがくるくるとひっくり返されていくのをじっと見ていた。
「何してんだ?」
「これ、見るの好きなの。凄いよねー」
我ながら子供っぽい考えだと思うが、
やっぱりこの職人技は感動する。
「だなー。熟練の技って感じ」
「このアルバイトは大変そうだよね」
うんうん。とふたりで頷きあっていると、女性の店員さんがニコニコと見ていたことに気づき恥ずかしくなる。
私たち、なんて思われてるんだろ…。
思わずそんなことを考えてしまう。
「お待たせいたしました!」
「ありがとうこざいまーす」
また1人でぐるぐる考えている間に、先生がたこ焼きをゲットしていた。
「あ!お金!」
「いいよ。ここ奢る」
「でも」
食い下がる私を無視して、先生はあたりをキョロキョロと見回す。
「なあ、どこで食べたい?」
「え?えーっと…」
車で食べたい。
とか言ってもいいのかな?
二人でゆっくり食べられるところに行きたいな。なんて変なやつだと想われる?
そんな思考が頭を支配する。
最近の私はダメだ。
脳がおかしくなってしまったようだ。
「莉奈?」
「あ、そーだな。どこでもいいよ!」
「じゃあ…」
古谷さんはそういうと出口に向かって歩き出した。
「車でゆっくり食べてもいい?」
