「んっ」
囁きに近い声が耳元で聞こえて、思わず声が漏れた。
真っ赤になって、慌てて口を塞いだが時すでに遅し。
「あれあれー?可愛い声が聞こえたなー」
「きの、せい…」
「どーしたのー、莉奈ちゃーん?」
この人、絶対わざとだ!
もう、やだ。
顔が、身体が熱い…。
「…は…です」
「ん?なーに?」
「耳…は、ダメ…なんです…」
あれ、電話から音がしなくなった?
「古谷…さん?」
「…」
「え?あれ?古谷くーん?」
はぁぁぁぁぁ。と
おもーいふかーいため息が聞こえる。
「莉奈…」
「…ん?」
「俺が悪かったよぉぉ」
なんなんだ、この人?
さっきまでは意地悪しか言ってこなかったのに、急に態度が変わった。
「い、いや、もういいけど」
「すまん」
なんか、やだ。
そんなに謝らないで。
