家について、
ご飯を食べて、
お風呂に入る。
一連の動作をただ淡々とこなし、
私は寝ようと布団に入った。
そういえば、今日が受験だったなんて信じられない。
それ以上のことが色々ありすぎて、すっかり記憶の遥か彼方まで飛ばされていた。
「はぁ」
ため息が口からこぼれ落ちて消えた。
ヴーヴー
枕元に置いてあるケータイが震えた。
画面には、古谷 涼の文字。
『今日はマジごめん。ありがと』
『いえいえ、またいつでもどうぞ!』
自分の心に蓋をした私にとっては、これはただの友達からの恋愛相談。
いつものように、親身になって相談に乗るのが莉奈スタイルだ。
『電話、大丈夫?』
『大丈夫だよ』
すぐにかかってくる電話。
時刻は12時を少し回ったところだ。
「もしもーし」
「さーむーいー」
「それなー。あれ?運転中?」
「そう、バレーサークルで2時間バレーきてきた」
「まじかー、若いねー」
「あなたは18でしょ!」
「精神年齢は40代」
こんなくだらない会話を繰り広げていると、いつの間にか時計の針は深夜2時を指していた。
「古谷さーん、もう2時だよー?」
「うわ、まじか。寝なきゃ」
「2時間も誰かと電話したのはじめて」
この2時間で私は多くのことを知った。
彼の好きなアーティスト
彼の好きな漫画
彼の好きな女性像
そして、彼のこれまでの恋愛。
元カノさんとの出来事。
多くのことを知っていくなかで、
私が思ったこと。
それは、古谷 涼 という人間はとても可愛らしく、まったく4歳年上とは思えないってこと。
あと、下ネタが大好きってことも。
