あまりに無言が続き、不安になってきた私は先生の顔をのぞきこんだ。
すると、突然先生は顔を上げ真剣な顔で私を見つめる。



「岡田ちゃん」

「は、はい?」



先生はつかつかと私に近寄ると両手で私の肩を掴んだ。



「まさか…浮気?」



は?


先生の予期せぬ言葉に呆然とする私。
浮気ってどういうこと?



「悠真くんというものがありながら…」

「ってそのネタですか!」



まだそのネタ引きずってたんかい!
先生だろうが、突っ込んでしまいましたよ



「違いますよ!」

「じゃあ、何してたの?」

「な、慰めてもらってたんです。明日の受験のための応援です…よ」



ふーん、と先生は意味深な目を向けながらもそれ以上追求はしてこなかった。



「ま、いいけど。バレないようにね」

「はーい」



それだけ言うと池野先生は更衣室から去っていった。
なんか用があったんじゃないのかな?
にしても、今回は見逃してもらえたからよかったなー。
私は、ほっと胸をなでおろした。