「じゃ、明日頑張れよ」
「うん!ありがと!」
「おう、じゃ切るぞー」
プツッと電話が切れても、私は静まり返った更衣室に1人で佇んでいた。
正確に言うと、動けなかったのだ。
もう、訳わかんない。
なんなの、この気持ち。
「私ってやっぱり…」
古谷先生のことが…
ガチャっと背後で更衣室の扉が開く音がして、そんな私の思考回路はすぐに停止してしまった。
驚いて振り返ると、同じく驚いた顔をした池野先生がいた。
「…」
「…」
はっ。やばい!
私ケータイ握りしめたままだ!!
一応この学校の校則では、校内でのケータイの使用は禁止されているのだ。
しかも、池野先生はしょっちゅう生徒のケータイを没収することでも有名な人。
「あの、すみません。私もう要件は済んだので…」
これで失礼します。という言葉をいう前に池野先生が私の手の中に視線を注いでいることに気がついた。
「こーんなところで、こそこそケータイ握りしめて何してんの?」
「や、あの…」
「…」
没収されてしまうのか…。
しばらく古谷先生とは連絡取れなくなっちゃうなー。
しょぼんと肩を落とし『没収』の言葉を待っている私をよそに、池野先生は何も言わない。
