「ふーん」



今も怪しんでる感丸出しでこちらを見てくる。
そんなジト目で見るんじゃない!!



「ほ、ほら、あれだよー。今日の英語の小テストがいや」

「あ!!」



私の声を遮るように友紀の悲鳴に近い声が響く。



「わ、忘れてた…」



友紀の顔は真っ青になっている。


あーあ、これはやらかしたな。
今日の小テストは成績に関わってくる、まあまあ大切な方のテストだ。



友紀はじゃあね!と叫び、ありえない速さで教室に向かった。



「またねー」


廊下を全力で走っていく彼女の背中に小さく手を振る。
きっと、彼女には聞こえてないけど。



友紀は私の隣のクラス。
3年になったときに離れてしまったのだ。
まあ、とりあえずこれで昼休みに会うこともないし、追求はされないだろう…。