「あ、もうこんな時間!」
ふと時計をみたら、もう10時過ぎ。
私以外に生徒はいなくなっていた。
「もう帰らなきゃねー」
「あーあ、帰りたくないなー」
そうは言っても、帰らなきゃいけません。
ケータイを確認すると母から連絡がたくさんきている。
やば、結構待たせてたわ。
「帰りますか」
3人で塾から出る。
遥香先生が戸締りの最終確認をしに行ってしまい、私と古谷先生の2人きりに。
「大学楽しそうでいいなー」
「もうすぐなれるぞー」
「なれるかなー」
遥香先生を待ちながら、ぼーっとつぶやきに似た会話をする。
「受験生、疲れたわー」
「そうだよな」
「癒しが欲しいよぉ…」
私がそう言うと、先生はおもむろに自分のケータイを取り出した。
