絢美が退院の日、祐貴の運転。事務所。入ると、

「お帰りなさい。」

みんな迎える。(悠太達もオフ)絢美は思いもがけぬ歓迎にうるっ。亜希は、

「絢美、電話だよ。」

絢美は恐る恐る出る。

「もしもし?」

すると、

「絢美、お帰りなさい。」
「ママ!?」

絢美は亜希を見るが亜希は知らないふり。

「亜希がね、絢美が退院するから話してってさ。亜希ったら本当にお人よし。自分を考えなさい。29よ。30まであと少しなんだから。ま、30で結婚した暁人もいるし。実祐菜ちゃんは元気ですか?」
「元気だよ。今はすやすや眠っているよ。
「また、会いに行くわ。暁人達も連れて行くね。あ、在(あり)も連れていくね。あなたたちに会わしたいもの。」
「ママ、パパやお兄ちゃん達は元気なの?」
「元気よ。パパなんてね。本当に舞い上がっちゃって、孫に会いたいって言っているのよ。だからね、写真でも送って?あつきにも言っておいて、あの写真だけではパパが触り過ぎて、フニャフニャになったって。」

絢美は笑って、

「一緒に送るね。ねぇ、ママ、みんなで旅行でも行きたいね。」
「絢美、忙しいでしょ?」
「主婦だから。離れて、母親になってパパとママの偉大さを再確認したの。パパも、ママも、お兄ちゃん親子も、亜希お兄ちゃんも、あつきお兄ちゃん親子に、祐貴さんに実祐菜に私。悠君のご両親も家族も。」
「…行きたいわ。でもね、あさみ達は忙しいでしょ?会いたいし、話したいわ。暁人は覚えているからね。そりゃあ亜希より3つ上だから。ふふふ。」
「聞いてみるのはいいじゃない?祐貴さんはみんなと仲良くしているけれど、本当のお姉さんがいると楽しいでしょ?」
「そうね。絢美、ありがとう。」
「へへ、ママ、私を生んでくれてありがとう。すごく幸せだよ。」

母は泣いて、

「こんな事娘な言われるなんて母としてこれ以上のものはないわ。」


絢美は母と話し、電話を置く。亜希は、

「たくさん話せましたか?一番母さんと話したいと思ってさ。びっくりしましたか?」
「お兄ちゃん、泣かせないでよ。」

亜希は優しく、

「ママが泣いたらだめだよ。」
「お兄ちゃんが泣かせたんだよ。」
「ふふふ。アニキとかさ、絢美が産んでから毎日のようにうちに電話