それに、絢美が結婚した時、いや、祐貴君を意識し始めた時から絢美の妊娠を覚悟していたよ。」
「……。」
「だから、祐貴君の電話が鳴った時に、それが史奈さんからだったら絢美は妊娠していると思ったんだ。」
「お義兄さん…。」
「私はここでは一番の年長者、独身ですけど何をすれば子供ができるくらいわかります。夫婦になれば、それは子作りしたいでしょう。」
「……。」

麻友美は複雑そう。
亜希は、

「祐貴君はいい人ですよ。絢美に甘えて食事の面倒をみてもらっているいるとんでもない兄ですから、いつもあがっていると、よく話してくれて。きっと話しにくいでしょうに。」

麻友美は、

「いえ、祐貴は嬉しいはずです。お兄さんができたのですよ。絢ちゃんのお兄さんはみんな優しくて、祐貴も慕っています。私ににこにこと話してくれます。あのコは末っ子ですから。お兄さんがいると安心なはずです。」
「ありがとう。」


祐貴は絢美を優しく抱いている。
麻友美が、

「祐貴、入るわよ。」
「いいよ。」

麻友美は入る。麻友美は、祐貴に抱かれて眠っている絢美を見て、

「あら、絢ちゃん、それがお気に入りなのね。」
「うん。」

麻友美は少しふくらんだお腹をさすって、

「もうすぐこうなるのよ。って、まだそんなにふくらんでいないけど。お姉さんのがまだ大きいかなぁ。」
「悠太君はエロだね、すぐに二人目を作った。まぁ、運命だし、悠太君の精力もあるのかな?」
「……。…ばかにしてる?」
「いや、すごいなぁ…と。」
「……。」

麻友美の目が少しうるんでいる。麻友美は強がって、

「私は悠のもとに嫁いだの…私は悠のもの。従うのがさだめ。」
「拒否するのも愛だよ。」
「…悠が喜ぶカオ見るの楽しいわ。偽りのない笑顔…(だからこそ裏切りが辛いの…。)」


絢美は目覚める。

「祐貴さん…。」
「よく寝てたね。かわいかった。見てて飽きないね。」
「あ…どうしよう…祐貴さんとお兄ちゃんの夕食作らないと…うぅっ!?」

祐貴は優しくさすり、

「お義姉さんと姉さんが手分けして作ってます。男の人達は子守です。」
「……。」
「さてと、行きましょうか。お義兄さんの家だよ。阿由葉ちゃんの家。」
「はい。」

チュッ。