好きになる理由

「私、見てたからわかるよ」

砂山くんの目を見て言うと、

「…昨日自主練してたら溝にハマって打った」


ここは笑いそうになるところだが、今はそんな場合じゃない。

「なんで早く言わないの…」

そう言いながらスプレーで冷やし、湿布を貼った。

「これでいい?」

「うん、ごめんありがとう」

そう言うと砂山くんはまたコートへ戻っていった。