ゴールに入ったボールを取りに行くと

長谷川くんの方へ蹴った。

「ありがと!」


ボールをとめてスポドリを飲んだ

長谷川くんは話し始めた。

「俺さ、サッカーが命なんだよな」

サッカーボールをあらゆる技で

操りながら話を続けた。


「だから、自分からサッカーを失うなんてありえないし」

私は長谷川くんから目が離せなかった。

「“エース”」

ボールを蹴りあげてゴールへ放った

「って呼ばれてきたからさ
それが当たり前だったのに」

力が入りすぎたのか上のゴールポストに

あたって飛んでいった。