テントに戻ると、砂山くんがこっちへ来た


「柚の声、でかすぎな」

そういっておでこを人差し指で

つついてきた砂山くん。


「役に立ったでしょ、とっさに下の名前でよんじゃったけど。」

あれは自分でも恥ずかしかったな


「なんか柚の声で足が軽くなった

役に立ったわ、さんきゅな」

そう言って少し微笑んだ砂山くんは

男子の輪の中に入っていった

【只今から閉会式を行います…】

なんか、顔が熱い

この顔の熱さを紛らわすために

実月の腕を引っ張ってグラウンドに出た