電車を待つ駅のホームで、歩いている間気になっていたことを口にした。 「洸ちゃん、またネクタイ曲がってるよ」 「……そう?いつもこんなもんだろ」 「始業式の日くらいちゃんとしなきゃ。ほらっ!」 私の首元のリボンと同じ柄のネクタイを、1度解いて結び直す。 この時間が好き。 ……それは、私ではなくていのりの気持ち。