すぅ、と息を吸ってゆっくりと吐き出す。 数学準備室の扉の前。 これから先生に会えると思うと緊張して鼓動が速くなるのは、もうきっといのりのせいだけじゃない。 ノックをすると「どうぞ」といつもの返事がして、私は静かに扉を開ける。 椅子に腰かけたまま顔だけこちらを向いた先生は、今日も朝からハンサムだ。